相続手続きは何から始める?行政書士が基本的な流れを分かりやすく解説
相続手続きは、実際に経験してみると想像以上に大変です。
順番を間違えると、余計な手間がかかってしまいます。
同じ書類を何度も用意したり、金融機関や役所を行き来することにもなりかねません。
しかも相続について調べると、さまざまな専門家が出てきます。
弁護士、税理士、司法書士、行政書士…。
「自分の場合は誰に相談すればいいのだろう?」と迷ってしまう方もいるでしょう。
そこでこの記事では、比較的シンプルな相続の流れを行政書士が解説します。
具体的には、相続人同士に争いがなく、相続財産に不動産が含まれておらず、相続税の申告も必要ない比較的シンプルなケースです。
この記事を読んで、自分で最後まで進められそうなのかを判断してみてください。
1、相続手続きは何から始めればいい?
2、最初の重要な作業は戸籍集め
3、戸籍が揃ったら法定相続情報一覧図を作る
4、法定相続人を確認したら財産を調査する
5、財産を確認して相続するか判断する
6、相続することになったら金融機関で手続きをする
7、遺産分割協議書は作っておいた方がいい?
8、相続はどの専門家に相談すればいい?
9、相続は最初の戸籍集めでつまずく方が少なくありません
10、行政書士いのくち法務事務所の相続サポート
1、相続手続きは何から始めればいい?
相続のご相談を受けていると「まず何をすればいいのでしょうか?」とよく質問されます。
最初に確認したいのが、亡くなった方が遺言書を残しているかどうかです。
遺言書がある場合は、その内容や遺言書の種類などを確認した上で手続きを進めます。
この記事では、一般的に多い遺言書がない場合を前提として説明していきます。
2、最初の重要な作業は戸籍集め
遺言書がない場合、まず誰が法定相続人になるのかを確定させる必要があります。
そこで必要になるのが戸籍の収集です。
亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍を確認し、誰が法定相続人なのかを明らかにします。
戸籍は現在のものだけを取得すれば終わりというわけではありません。
複数の戸籍から、結婚、離婚、転籍の履歴を照合しなければならない場合があります。
制度の改製によって複雑化していることもあります。
古い除籍謄本や改製原戸籍謄本まで遡らなければならないケースもあります。
亡くなった方と相続人との関係を証明するため、相続人側の戸籍も必要になります。
特に叔父・叔母などの相続では、取得する戸籍が非常に多くなることがあります。
親子間の相続よりも、確認しなければならない親族関係が広がるためです。
つまりどんな相続も、最初の大きな山場は「戸籍集め」といえます。
3、戸籍が揃ったら法定相続情報一覧図を作る
必要な戸籍が一式揃ったら、次に取り掛かりたいのが法定相続情報一覧図の作成です。
法定相続情報一覧図とは、亡くなった方と法定相続人との関係を一覧にした図です。
作成した一覧図と戸籍などの必要書類を法務局へ提出し、内容が確認されると、登記官の認証文が付された法定相続情報一覧図の写しを無料で交付してもらえます。
申出をする法務局は、次のいずれかの所在地を管轄する法務局です。
・亡くなった方の本籍地
・亡くなった方の最後の住所地
・申出人の住所地
・亡くなった方名義の不動産の所在地
この法定相続情報一覧図を用意する大きなメリットは、相続手続きのたびに大量の戸籍を提出する負担を減らせることです。
例えば、亡くなった方が複数の金融機関に口座を持っていたとします。
その場合、それぞれの金融機関で手続きをしなければなりません。
そうした時に法定相続情報一覧図があれば、提出する書類の数を大幅に減らせます。
亡くなった方との相関関係もひと目でわかるので、手続きもしやすくなります。
4、法定相続人を確認したら財産を調査する
続いて、亡くなった方がどのような財産を持っていたのかを調べます。
自宅に残されている
・預貯金通帳
・キャッシュカード
・証券会社などからの郵便物
・税金関係の書類
・保険会社からの書類
などを手がかりに調査していきます。
証券口座がある可能性はあるものの、どの証券会社を利用していたのかわからない場合には、証券保管振替機構(ほふり)の「登録済加入者情報の開示請求」を利用する方法もあります。
また、一定の条件を満たしていれば、預金保険機構を通じて、亡くなった方の預貯金口座に関する情報を確認できる制度もあります。
そして、財産調査で忘れてはいけないのが、マイナスの財産も調べることです。
「借金などの債務が残されていないか」
「連帯保証人になっていないか」
それらについても可能な限り確認しましょう。
5、財産を確認して相続するか判断する
財産調査の結果、プラスの財産よりも借金などの負債の方が多い場合には、相続放棄を検討することになります。
相続放棄をすると、原則としてプラスの財産もマイナスの財産も相続しません。
相続によって得た財産の限度で債務を負担する限定承認という制度もあります。
ここで特に注意したいのが期限です。
相続放棄や限定承認は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所で手続きをする必要があります。
そのため、負債が疑われる場合は早めに対応することが重要です。
6、相続することになったら金融機関で手続きをする
相続することが決まったら、銀行や証券会社などで相続手続きを進めます。
必要書類は金融機関によって異なりますが、一般的には、
・金融機関所定の相続手続書類
・相続関係を確認できる戸籍一式または法定相続情報一覧図
・相続人の印鑑登録証明書
・通帳やキャッシュカード
などが必要になります。
相続人全員の実印による押印を求められることもあります。
必要書類や方法は金融機関によって異なるため、事前に各金融機関へ確認してください。
7、遺産分割協議書は作っておいた方がいい?
今回想定しているような比較的シンプルな相続では、金融機関所定の相続手続書類に相続人全員が署名・押印することで、手続きが完了するケースもあります。
金融機関への提出書類として、遺産分割協議書が必須ではないこともあります。
だからといって、遺産分割協議書を作成する意味がないわけではありません。
例えば、銀行から長男の口座へ相続預金の全額を振り込み、長男から次男や三男へそれぞれの取得分を送金したとします。
この場合、お金の動きだけを見ると、長男から兄弟への資金移動にも見えてしまいます。
結果として、贈与や贈与税の申告漏れが疑われる可能性があるからです。
このような場合でも、相続人全員で合意した遺産分割協議書があれば、遺産分割に基づく資金移動であることを説明する重要な資料になります。
後々のトラブルを防ぐという意味でも、遺産分割協議の内容を書面に残しておくことには大きな意味があります。
8、相続はどの専門家に相談すればいい?
弁護士、司法書士、税理士、行政書士…。
相続についてウェブ検索をすると、さまざまな専門家が表示されます。
しかし、それぞれの士業がすべての相続に対応できるわけではありません。
得意分野や法律上扱える業務が異なるため、内容に応じて相談先を選ぶことが重要です。
相続人同士で揉めているなら弁護士
遺産の分け方などをめぐって相続人同士で争いが生じている場合。
また、争いになる可能性が高い場合は、まず弁護士への相談を検討しましょう。
本人同士以外の交渉や仲裁は、原則として弁護士しか仕事として受任することはできません。
不動産の相続登記なら司法書士
土地、建物、マンションなどの不動産を相続した場合には、相続登記が必要になります。
登記手続きの専門家が司法書士です。
なお、2024年4月1日から相続登記は義務化されていますので、不動産が含まれる場合には放置しないようご注意ください。
相続税の申告なら税理士
相続税の申告が必要になる場合には、税理士への相談を検討しましょう。
相続税には、3,000万円+600万円×法定相続人の数という基礎控除があります。
ただし、実際に相続税がかかるかどうかの判断には、財産の評価や各種特例なども関係します。
基礎控除を超えそうな財産がある場合など、判断に迷ったときには税理士へ相談すると安心です。
戸籍収集や相続関係書類の作成なら行政書士
相続人同士で争いがなく、相続税の申告や不動産登記も必要ないものの、
「戸籍をどこまで集めればいいかわからない」
「仕事が忙しくて役所への請求を繰り返す時間がない」
「叔父の相続で必要な戸籍が複雑すぎる」
といった場合には、行政書士への依頼も選択肢になります。
また、案件によっては行政書士を窓口として、必要に応じて司法書士や税理士などと連携して進める方法もあります。
9、相続は最初の戸籍集めでつまずく方が少なくありません
不動産などがない相続というと、銀行口座の解約や預貯金の分配に目が向きがちです。
しかし、相続人を確定しなければ相続は始まりません。
そのためには、戸籍を正しく集める必要があります。
親から子への比較的シンプルな相続なら、ご自身で戸籍を集められることもあります。
一方、兄弟姉妹や叔父・叔母の相続では、簡単にいかないことも多くあります。
取得しなければならない戸籍が多岐にわたり、途中で「どの戸籍を取ればいいのかわからない」という状態になることも珍しくありません。
自分でできる部分は自分で行い、難しいところだけ専門家に依頼するという方法もあります。
10、行政書士いのくち法務事務所の相続サポート
行政書士いのくち法務事務所では、相続手続きの中でも、主に戸籍の収集から法定相続情報一覧図の作成までのサポートを承っています。
親の相続の場合は、戸籍の収集と法定相続情報一覧図の作成を8万円(税別)。
叔父・叔母の相続については、必要となる戸籍が多岐にわたることがあるため、10万円(税別)~を目安としています。
「相続が発生したけれど、まず何をすればいいかわからない」
「戸籍を集め始めたものの、途中でわからなくなってしまった」
「叔父・叔母の相続で戸籍収集が複雑になっている」
といった場合は、お気軽にご相談ください。






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